WANIMA「やってみよう」の原曲はなぜ童謡?誕生秘話と歌詞の真相
2017年の元日、au「三太郎シリーズ」のお正月CMとして突如オンエアされ、日本中のお茶の間を釘付けにしたWANIMAの代表曲「やってみよう」。親しみやすいメロディに疾走感あふれるメロディックパンクサウンド、そして底抜けに前向きなメッセージが融合したこの曲は、リリースから時を経た2026年現在も、世代を超えて背中を押し続けるアンセムとして親しまれています。
誰もが口ずさめるあの親しみ深いメロディは、一体どのような経緯でロックバンドのキラーチューンへと昇華したのでしょうか。「なぜ童謡だったのか?」という疑問の答えから、心に刺さる言葉の数々、さらには学校教育や楽器演奏の現場へ広がり続ける社会現象的な影響力まで、その真相を深く掘り下げていきます。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:原曲は童謡「ピクニック(イギリス民謡)」。誰もが知る旋律をポジティブなロックに転換する画期的なCMタイアップから誕生した。
- 要点2:作詞を手掛けたCMプランナーとWANIMAの熱量が生んだ「正しいより楽しい」というフレーズが、失敗を恐れる人々の心を救った。
- 要点3:大ヒットを経て名盤『Everybody!!』に収録され、現在では運動会ダンスやギター初心者の入門曲としても不動の地位を築いている。
【誕生秘話と真相】原曲はなぜ童謡「ピクニック」?au三太郎CM起用の舞台裏
WANIMAが歌う「やってみよう」の旋律を耳にして、「子どもの頃に聴いたことがある」と感じた人は多いはずです。それもそのはず、本作のルーツは誰もが幼少期に親しんだ童謡「ピクニック」(イギリス民謡「She'll Be Coming 'Round the Mountain」の系統を引くトラディショナルソング)にあります。
KDDIの看板企画である三太郎シリーズのCM曲として、同シリーズを手掛けるクリエイティブディレクターの篠原誠氏が「新年を迎えるにあたり、誰もが口ずさめて元気になれる曲を作りたい」と構想したことがすべての始まりでした。日本人のDNAに刷り込まれている童謡の親しみやすさに、若者の間で圧倒的な熱量を誇っていたWANIMAのパンクロックを掛け合わせるという大胆なアイデアが採用されたのです。
当時、インディーズからメジャーへと駆け上がる途上にあったWANIMAに対し、童謡のカバーというオファーは一見異色でした。しかし、メンバー3人は原曲の骨格をリスペクトしつつ、爆発的なビートとキャッチーなコーラスワークを注ぎ込み、単なるCM用ジングルを超えた本物のロックナンバーへと見事に仕立て上げました。
【歌詞の意味を深掘り】「正しいより楽しい」に込められた人生を拓くメッセージ
WANIMA「やってみよう」の歌詞がこれほどまでに支持される理由は、押し付けがましい努力論ではなく、「とにかく行動することの尊さ」を肯定してくれる点にあります。
作詞を担当した篠原誠氏とWANIMAの魂が共鳴した歌詞には、日常で躊躇しがちな人々の背中をそっと、かつ力強く押すフレーズが散りばめられています。中でも「正しいより 楽しい 正しいことばかり言ってちゃ つまらない」という一節は、正論や同調圧力に縛られがちな現代人の心を解き放つ名フレーズとして語り継がれています。
失敗することや転ぶことを否定せず、「倒れるなら前に倒れよう」「失敗も思い出」と歌い切る潔さ。リスクを気にして最初の一歩を踏み出せない人に対して、「まずやってみること」そのものに価値があるのだと教えてくれる人生賛歌となっています。
【配信日とアルバム収録】大ヒット配信から名盤『Everybody!!』への軌跡
お茶の間での大反響を受け、ファン待望の音源化が実現したのは2017年春のことでした。WANIMA「やってみよう」の配信発売日は2017年3月8日。iTunesをはじめとする主要配信チャートで軒並み首位を獲得し、ストリーミング市場でも異例のロングヒットを記録しました。
当初はデジタルシングルとしてのリリースでしたが、翌2018年1月17日にリリースされた記念すべきメジャー1stフルアルバム『Everybody!!(エビバデ)』に晴れて収録されます。このアルバムはオリコン週間アルバムランキングで初登場1位を記録し、WANIMAの名を名実ともに日本のトップバンドへと押し上げる決定打となりました。
CD音源を手に入れたリスナーは、テレビサイズの約1分間では味わいきれなかった「やってみよう」フル試聴の爽快感に熱狂。間奏で展開されるギターソロや、ベース・ドラムが織りなす骨太なグルーヴの全貌が明らかになり、バンドマンとしての実力の高さを改めて見せつける結果となりました。
【ネットの評判と反響】「朝から泣ける」「勇気が出る」と称賛された理由
楽曲が世に出た直後から、ソーシャルメディア上では大きな反響が巻き起こりました。WANIMA「やってみよう」のネットの評判を振り返ると、一般的な流行曲とは異なるユニークな広がり方を見せていたことがわかります。
Twitter(現X)などの投稿では、「通勤電車で聴いて泣きそうになった」「憂鬱だった新生活の不安が吹き飛んだ」といった社会人からの共感が殺到。さらに「子どもがテレビの前で飛び跳ねて歌っている」といったファミリー層からの支持も目立ちました。
童謡がベースにあるため、幼児から祖父母世代まで違和感なくスッと受け入れられる一方で、WANIMAのボーカル・KENTAの突き抜けるハイトーンボイスが胸に迫る――この「圧倒的な親しみやすさとロックの熱量の両立」こそが、ネット上で絶賛された最大の要因でした。
【国民的定番化】運動会ダンスやギター初心者曲として愛され続ける理由
楽曲の波及効果は音楽シーンだけにとどまりませんでした。学校現場において、運動会ダンスの定番曲としての地位を急速に確立していったのです。
テンポの良いリズムと前向きなテーマは、児童・生徒が身体を動かすプログラムに最適でした。幼稚園・保育園のお遊戯会から小学校の表現運動まで、全国各地のグラウンドで「やってみよう」に合わせたダンスが披露される光景は、現在も春・秋の風物詩として定着しています。
さらに楽器演奏の現場でも重宝されています。「やってみよう」のギターコードは、オープンコードや基本的なパワーコードを中心としたシンプルな進行で構成されているため、エレキギターやアコースティックギターを手にした初心者が最初に練習する課題曲としても絶大な人気を誇ります。「弾けた!」という達成感を得やすいことも、演奏者たちを惹きつける理由です。
【フル試聴とコード解説】エネルギッシュな演奏を再現するポイント
YouTubeの公式ミュージックビデオや各種音楽ストリーミングサービスで「やってみよう」のフル試聴を行うと、楽曲の緻密なアレンジに気づかされます。
原曲のキーはE♭メジャー(変ホ長調)で演奏されており、ギターは半音下げチューニング、またはカポタストを装着してプレイされるのが一般的です。コード進行自体は「G - D - Em - C」といった王道のポップ・パンク進行を軸に展開し、サビに向けて一気に駆け上がる疾走感が計算し尽くされています。
バンドでコピーする際のポイントは、サビ前のキメやスネアドラムの連打に合わせたタイトなカッティングです。単にテンポを追うだけでなく、メンバー全員で一斉に前へ飛び出すようなダイナミクスを意識することで、WANIMA特有のライブ感あふれるサウンドを体感できます。
【WANIMA「やってみよう」】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:原曲の童謡「ピクニック」には著作権上の問題はなかったのですか?
A1:原曲であるイギリス民謡はすでにパブリックドメイン(著作権保護期間満了)となっており、法的な問題は一切ありません。そのため、独自のロックアレンジや新たな日本語詞を乗せたオリジナル楽曲として世に送り出されました。
Q2:歌詞はWANIMAのメンバーがすべて書いたのですか?
A2:作詞はau三太郎シリーズのクリエイティブディレクターである篠原誠氏が手掛けました。WANIMAは作曲・編曲(アレンジ)を担当し、篠原氏の書いたメッセージにバンドの熱狂と魂を吹き込む形で共同制作されました。
Q3:公式のミュージックビデオ(MV)はどこで見られますか?
A3:WANIMAの公式YouTubeチャンネルにてフルサイズのミュージックビデオが公開されています。三太郎CMの世界観とリンクしたエネルギッシュな映像をいつでも視聴可能です。
まとめ:挑戦するすべての人を鼓舞するエバーグリーンな応援歌
親しみ深い童謡「ピクニック」を、時代の最先端を行くロックサウンドへ大胆に再構築したWANIMAの「やってみよう」。その背景には、広告クリエイターの確かな着眼点と、バンドが放つ圧倒的な生命力の見事な化学反応がありました。
「失敗してもいいから、まずは一歩を踏み出す」という普遍的なテーマは、変化の激しい時代を生きる人々の胸にいまも強く響いています。通勤・通学のプレイリストから学校の運動会、休日のギター練習まで、日々のあらゆる場面で挑戦の背中を押し続けるこの曲の輝きは、これからも色褪せることはありません。 (出典: やっ て みよう wanima(Yahoo!ニュース))