緑色のおりものは病気のサイン?原因と放置リスク・受診目安を解説
下着やトイレットペーパーに付着したおりものが普段と違う緑色や黄緑色になっており、不安を覚えた経験はないでしょうか。おりものは女性ホルモンの分泌や腟内の健康状態を映し出すバロメーターですが、通常は透明から乳白色で、わずかに甘酸っぱい匂いがする程度です。
明らかにおりものが緑色に変色している場合、腟内や子宮頸管で炎症が起きている可能性が高く、何らかの感染症が疑われます。自己判断で市販薬を使用したり様子見を続けたりすると、症状が悪化して将来の不妊原因につながるケースも少なくありません。本稿では、緑色のおりものが生じる根本原因や疑われる疾患、今すぐ確認すべき受診目安を網羅して解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:緑色や黄緑色のおりものは、トリコモナス腟炎や細菌性腟症、クラミジア感染症などの感染・炎症サインの可能性が極めて高い。
- 要点2:かゆみがない場合でもクラミジアなどの無自覚感染が進行しているケースがあり、「痛くないから大丈夫」という放置は禁物。
- 要点3:放置は卵管炎や将来の不妊症リスクを招くため、異変に気づいた段階で速やかに婦人科で検査を受けることが推奨される。
【病気のサイン?】緑色のおりものが出る原因と疑われる主な疾患
おりものが緑色に変色する最大の要因は、白血球が細菌や原虫などの病原体と戦った結果です。免疫反応によって死滅した白血球や細菌が膿(うみ)となり、おりものに混ざることで黄緑色〜緑色を帯びます。代表的な原因疾患には以下のものがあります。
1. トリコモナス腟炎(トリコモナス症)
緑色のおりもので最も頻度が高い原因が、トリコモナス原虫への感染です。強い悪臭(魚が腐ったような生臭さ)や強いかゆみ、泡立ったような黄緑色のおりものが大量に出るのが特徴的です。性交渉だけでなく、公衆浴場やタオルの共用などを介して感染することもあります。
2. 細菌性腟症
腟内を弱酸性に保つ善玉菌(デーデルライン桿菌)が減少し、嫌気性菌などの雑菌が異常増殖する状態です。灰色がかった黄緑色のおりものや、魚のようなアミン臭が生じます。
3. クラミジア感染症・淋菌感染症
日本国内で感染者数の多い性感染症です。子宮頸管に炎症(子宮頸管炎)を引き起こすと、膿性の黄緑色のおりものが増加します。初期症状が乏しいケースも多く、知らず知らずのうちに進行する傾向があります。
なお、白くポロポロとした酒粕・カッテージチーズ状のおりものが出る腟カンジダ症との違いとして、カンジダは真菌(カビの一種)が原因であり、緑色ではなく真っ白な塊となる点が大きく異なります。
「かゆみなし」「強い臭い」「泡状」症状パターンで見分ける危険度
おりものの変化だけでなく、付随する自覚症状の組み合わせによって疑われる状態をある程度推測できます。
【パターン1】緑色のおりもの+かゆみなし
「痒くないから一時的なものだろう」と放置されがちですが、クラミジア感染症や軽度の細菌性腟症では強いかゆみが出ないケースが多々あります。症状の有無に関わらず、緑色の分泌物自体が異常所見であるため警戒が必要です。
【パターン2】緑色のおりもの+強い悪臭・泡立ち
生臭い匂いや泡立った状態を伴う場合は、トリコモナス腟炎の典型例です。強いかゆみや外陰部の熱感を併発することが多く、早急な抗原虫薬による治療が求められます。
【パターン3】黄緑色のおりもの+ドロッとした塊
粘り気の強い膿のような塊が出る場合、子宮頸管の炎症が激しくなっているサインです。淋菌感染症や重度の頸管炎、骨盤内への感染波及が懸念されます。
妊娠初期や生理前の緑色おりものは?時期別の注意点
女性の体はホルモンバランスの変動期に腟の自浄作用が弱まりやすく、特定のタイミングで異常が現れることがあります。
生理前のおりもの変化
生理前(黄体期)はプロゲステロンの分泌が増え、おりものの粘度が増して黄色っぽく見えることがあります。しかし、明らかな黄緑色や悪臭、かゆみがある場合は正常な生理前症状ではありません。免疫力低下に乗じて細菌が増殖している可能性があるため注意してください。
妊娠初期の緑色おりものとリスク
妊娠中はエストロゲンの影響でおりものの量が増加し、同時に腟内の抵抗力も低下します。妊娠初期にトリコモナスやクラミジア、細菌性腟症を発症して放置すると、絨毛膜羊膜炎や切迫流産・切迫早産のリスクを高める要因となります。胎児の安全を守るためにも、妊娠中のおりものの変色は速やかに産婦人科の主治医へ相談してください。
放置するとどうなる?不妊リスクや骨盤腹膜炎へ広がる危険性
「そのうち自然に治るだろう」と緑色のおりものを放置するのは非常に危険です。感染部位が腟内にとどまっているうちは軽度の処置で済みますが、菌が上行性に侵入すると深刻な合併症を引き起こします。
病原体が子宮内膜から卵管、さらには腹腔内へと広がると、骨盤内炎症性疾患(PID)や骨盤腹膜炎を引き起こし、激しい下腹部痛や高熱に襲われることがあります。さらに、卵管が癒着・閉塞してしまうと、将来的な卵管性不妊症や異所性妊娠(子宮外妊娠)の直接的な原因になりかねません。早期受診と完治が極めて重要です。
婦人科受診の目安と性感染症の検査方法・標準的な治療法
緑色のおりものに気づいた場合、どのような基準で医療機関を受診すべきかを整理しました。
婦人科受診の目安
- おりものが明らかに緑色・黄緑色をしている
- 強い悪臭(魚臭・腐敗臭)や外陰部のかゆみ・痛みがある
- 排尿時痛や性交時痛、下腹部の鈍痛を伴っている
- 2〜3日経過しても色の異常が改善しない
検査方法と治療の流れ
婦人科では内診時にクスコ(腟鏡)を用いて腟内を観察し、綿棒で分泌物を採取する腟分泌物検査やPCR等の核酸増幅法検査を実施します。痛みの少ない検査で、数日〜1週間程度で確定診断がつきます。
治療は原因に合わせて行われます。トリコモナス症や細菌性腟症には抗原虫薬・抗菌薬(メトロニダゾールなどの内服薬や腟錠)が処方され、クラミジアや淋菌には対応する抗生剤の内服・点滴が行われます。なお、性感染症と診断された場合は、ピンポン感染を防ぐためにパートナーも同時に検査・治療を受けることが必須です。
【緑色のおりもの】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:性行為の経験がなくても緑色のおりものが出ることはありますか?
A1:はい、あり得ます。細菌性腟症は腟内の常在菌バランスの乱れ(体調不良や過度な腟洗浄など)で発症します。また、トリコモナス症も温泉や共用タオル、便座などを介して感染する例が報告されています。
Q2:市販のカンジダ薬を使っても緑色のおりものは治りませんか?
A2:改善しません。市販のカンジダ治療薬は抗真菌薬であり、緑色のおりものの主な原因であるトリコモナス原虫や一般細菌には効果がありません。必ず婦人科で正しい病原体を特定してもらいましょう。
Q3:病院に行くときは生理中を避けたほうがよいですか?
A3:経血が混ざると検査の精度が落ちる場合があるため、基本的には生理終了後の受診が推奨されます。ただし、激しい腹痛や高熱など緊急性のある症状がある場合は生理中でも迷わず受診してください。
まとめ:自己判断は禁物!異変を感じたら早期の婦人科受診を
おりものの緑色化は、体が発している明確な異常シグナルです。自覚症状の強弱にかかわらず、腟内や子宮周辺で炎症が生じているサインであることに変わりはありません。
デリケートゾーンの悩みは受診をためらいがちですが、早期に適切な治療を受ければ短期間で完治できる疾患がほとんどです。放置による重症化や将来の妊孕性への影響を避けるためにも、変色に気づいた段階で早めに婦人科専門医へ相談することをおすすめします。 (出典: 緑色 の おり もの(Yahoo!ニュース))